昨日はありがとうございました。
またお目にかかることができてとてもうれしかったです!

以下は昨日皆さんにお送りさせていただいた「麗王便り」です。
日野さんのアドレスを登録し忘れておりまして1日遅れてしまいました。
読んでみてくださいね。

おめでとうございます!
新しい年が始まりましたね~。
1年のスタートの月を“睦月”といいます。
この1年も、家族みんなが幸せでいられますように、そんな願いが広がるから
でしょうか、1月の旧暦名は“互いに睦まじく”人と人がにぎわい、
顔を合わせあって睦み合うことから“睦月”というのだそうです。
古くから伝えられるお正月遊びの凧揚げも、そんな願いが天高く届くよう、
始められたのかもしれません。
“睦月”の意味あい通り、1月は日頃の感謝をあたためながら、いろんな人と
会い、楽しく過ごしたいものですね。
様々な人と和やかに睦み合い、いろんな会話を交わせば、
その中から今年の幸運が流れ込んでくるような気がします。

そして、今日は“鏡開き”の日です。
供えておいた鏡餅をおろして、食べる祝儀のことをいいます。
「切る」という言葉を忌み嫌い、刃物では切らずに、手や槌で割って「開く」と
めでたい言葉を使うのだそうです。
この言葉に対する細やかな感性は、まさに日本ならではのものですね。
今日食べると、その年は無病息災であるという、
生命力が宿るといわれるこの鏡餅。
麗王でも温かいおぜんざいに入れてご用意いたしておりますので、ぜひ
お召し上がりくださいね。

かつては国民的休日として、街が静まり返るほどに、誰もがそれぞれの家庭で
団らんを楽しんでいたお正月でしたが、現代では、普段と変わらずにお店が
営業するなど、あたかも旧年の延長。
でも、やはり1月は、街にお琴の音が流れていたり、しめ縄や門松が
飾られていたりと、「和」を「日本」を、感じさせてくれます。

その「日本」、ある意味では、外国の人の方が、より理解し、愛しているのでは、
と思うことさえあります。

四方を海にかこまれた、その小さな島国は、春夏秋冬の美しい風景に彩られて
ひとりのイタリア人青年をとりこにしました。
いまから半世紀以上も前の昭和30年代、フォスコ・マライーニ氏と日本との
出会いは、のちに一冊の写真集「海女の島・舳倉島」に姿を変え、世界中の
人々に愛されるベストセラーになりました。

マライーニ氏にとって日本は神秘の国でした。
日本の人々は、小川のせせらぎや森の大樹、ときには米びつや酒樽のなかにまで
神の姿を見いだし、手を合わせて祈る。
教会も、聖書も、ロザリオも見あたらないのに、そこらじゅうに神々の息吹を
感じる。
私の住む沖縄もまさしくそういうところです。

とりわけマライーニ氏を感心させたのは、
日本の人々の、ものの憐れを知る心――。
自然を最上のものとして敬い、畏れ、感謝し、
自然の木々や鉱物、土からつくった道具や「もの」のなかにまで命を見いだし、
慈しむ「心」。
役目を終えた「もの」をも憐れむ、針供養や人形供養などの美しい習慣はいまも
私たちの暮らしに確かに根づいています。

あの日、マライーニ氏の心を強くとらえた日本の姿はいまも、
そのままでしょうか。
ファシズムに抗議して投獄されたこともある高潔なマライーニ氏は、2004年6月
永眠されました。
晩年、イラク戦争やテロの惨状を目にしては、「こんな世界は見たくない」と
涙されていたといいます。

美しき日本の心を、大地や海を、守るために、
子どもたちの未来に「平和」をつむぐために、
いまこそ、愛と、勇気と、夢を――。
そして「あたりまえのこと」を。

今年はそんな気持ちで過ごしてゆこうと思っています。
あなたもたくさんの希望を夢を、胸に、スタートをきってくださいね。

今年はもっともっと、あなたとの大切な時間をやさしさで包めますように。