お元気ですか?
今年の冬はなかなか寒いですね~!
体調を崩したりなさっておられませんでしょうか。
インフルエンザも流行っていますのでくれぐれもお身体にお気をつけくださいね。
何といっても健康あってこその幸せですから。

実は10日前に沖縄銀行さんから沖縄県経済同友会に出向しておられた長松さんが
クモ膜下出血でお亡くなりになられました。
仕事を終え帰宅途中のバスの中での出来事だったそうです。まだ44歳。
お亡くなりになる1週間前にいらしてくださった時、
「正直に言うと今の会社のあり方に少し物足りなく思っているところも
あるので私なりに頑張りたいと思います。」
とおっしゃっておられたのが印象的でした。
これからという人生を歩んでおられた途中。心残り幾許であったことでしょう。
心から御冥福をお祈りいたします。

随分前に、ある男性が人生最後の日に書き残した手記にまつわるストーリーを
抜粋したものを御紹介させていただきましたが、今一度お読みいただければと
思います。

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その日の朝、彼はいつもより眠気を感じていた。疲れてもいた。
前の晩、遅くまで起きていたし、ベッドに入ってもなかなか寝つけなかったのだ。
しかし、もう少し眠ろうという考えをすぐに捨て、片づけなければならない
膨大な仕事のことに頭を切り替えた。
いつも通りに顔を洗い、髭を剃った。ここ数日、眠れない夜が続いたせいで、
顔からは生気がうせ、目元にはクマができていたが、気に留めることはなかった。
剃り残した髭にさえ気がつかなかった。
コーヒーを飲み干し、気のない「おはよう」を呟き、妻と会話もせずに家を出た。
結婚して何年もたつのに、家にいないことの多い彼に不満をぶつけ、もっと一緒に
時間を過ごすべきだと言いつのる妻が理解できなかった。彼女が求める暮らしを
維持しているだけで十分ではないのか、と思っていたのだ。
彼には、尻尾を振る犬に笑いかけたりする余裕もなかった。
娘から携帯に電話が入りランチに誘われたが、仕事をすっぽかすわけには
いかないと断った。じゃあ次の休日にでもと言う娘に「本当に時間がないんだ」と
断った。
会社に着いた彼は、社員とろくに挨拶さえ交わさなかった。予定がびっしり
詰まっていて、すぐ仕事に取りかかることが大事だったからだ。
たわいもない世間話で時間を無駄にしたりはできないと思っていた。
ランチタイムになった。彼はサンドイッチとソーダを頼んだ。
コレステロール値が高く、検査する必要があったが、その時間は来月まで
取れそうになかった。午後の会議で使う書類に目を通しながら、ランチを
食べ始めた。何を食べているのかなんて、まったく頭になかった。
電話の音が聞こえたとき、彼は少しめまいを感じ、目が霞んだ。同じ症状が
出たとき、医者が言ったことを思い出した。「ちゃんと検査しないとダメですよ」
でも、大したことはない、強めのブラックコーヒーでも飲めば何とかなるだろうと
彼は決め込んだ。
目を通すべき書類、下すべき決断、引き受けるべき責任。そうしたものがどんどん
増えていく。
会議に遅れそうになったので、エレベータが来るのを待ちきれず、彼は階段を
二段ずつ駆け下りた。ビルの地下にある駐車場が地底の奥深くにあるかのように
感じられた。
車に乗り込み、エンジンをかけたとき、再び不快感がこみ上げてきた。今度は
胸の鋭い痛みだ。だんだん息が苦しくなり…、痛みが増し…、乗り込んだ車が
消え…、周りの車が全て消え…。柱、壁、ドア、日の光、天井のライト。
彼の目には、もはや何も映らなかった。
代わりに、馴染み深い光景が心に浮かび上がってきた。まるで誰かが
スローモーションのボタンを押したかのように。一枚一枚、彼はそれを
眺めていった。妻、娘、彼が最も愛した一人ひとりを。
「俺はなぜ、娘と一緒にランチをしなかったんだろう?」
「朝、家を出るとき、妻は何て言ってたっけ?」
「この前の休み、なんで友達と釣りに行かなかったのだろう?」
胸の痛みは止まらなかった。でも、彼の心には「後悔」という名の別の痛みが
うずきだしていた。
彼の眼から、静かに涙があふれ出た。
そしてメモに書き残した。

生きたい もう一度 チャンスが欲しい
家に戻って妻と過ごしたい
娘と会いたい
できるなら できるなら――

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幸いにもこの男性は奇跡的に助かり、この手記を発表されました。

また、お正月あけに、脚本家の下島先生から
以下のようなお便りをいただきました。すごく素晴らしい内容でしたので、
先生にお断りをして御紹介させていただこうと思います。

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昨年、1月2日にたった一人の弟が、突然逝ってしまいました。
お正月いつも来る弟一家の中に弟はいませんでした。この1年、ことあるごとに
蘇った弟は、小さい頃だったり、若い頃だったり、家族の中での笑顔だったり。
でも、人は本当に逝ってしまうのですね。
一周忌を昨日、済ませました。弟を大事にし、いつも夫婦で旅を楽しんでいた
義妹も、娘、そして息子の家族と、今も弟を偲び、孫の世話と仕事に
明け暮れています。
人が生きるということ、その大事さと切なさを、今、しみじみと感じます。
その日まで、精一杯生きよう、と、思っています。
寒い日が続きます。お風邪など召さぬ様に。

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もしも、今日が人生で最後の日になるなら、
あなたは、今日をどう生きますか?
周りの人にどんな言葉をかけますか?
会ってうんとお話したい人は誰ですか?

過去と未来が存在するのは、人がそれについて考えるときだけ。
つまり、両方とも印象であり、実体はないのです。
それなのに私達は、過去に対する後悔と、未来に対する不安を
わざわざつくりだしているのですね。
いつ終わりの日が来ても悔いのないように。
今日を、今この時を、大切に精一杯生きたいものですね。

明後日は節分です。
立春が一年の始まりだった昔、新しい年神さまを招く前に、来る年の災いである
鬼を祓う行事として、前夜に行われていたそうです。
そう考えると「鬼は外、福は内」の理由がわかりますよね。
それに、新年のエネルギーは一月ではなく二月の節分を越えたあたりに
動き始めるのだとか。つまり、節分を越えると、今年のエネルギーが非常に
はっきりしてきますので、今年の目標や、新しいトライはこの頃に
幸せな気持ちで始めてみるのもいいかもしれません。

一月の内にちゃんと今年の計画を立てられなかった人は、改めてこの節分に
誓いを立てても遅くはありませんよ~。

さぁ、節分の日にはあなたも大きな声で豆をまいて。
「鬼は外、福は内。」
そして今年の恵方・南南東に向かって、幸運をおいしく呼び込む恵方巻き寿司を
ガブリ!とまるかぶりなさってくださいね。
今年一年の幸せを、健康を、心から願って。

【2011.2.1 末金典子】