お元気ですか。
連休が続くとなんだかほっとしますね。次の連休は秋分の日。
夏が終わるのって本当に早い! もう秋なのですね~。
あなたはこの夏休みはどうお過ごしでしたでしょうか。

私はと申しますと、麗王のお客さまでもあるジャーナリストの津田大介さんが
監督されて話題となった芸術祭「愛知トリエンナーレ」を観に
40年ぶりの!名古屋へ行ってまいりました。
8月の始めに行きましたもので、ちょうど元従軍慰安婦を象徴する少女像の
展示をめぐってマスコミが大騒ぎの時でした。
この少女像を含む「表現の不自由展」は展示中止となって見ることは
できなかったのですが、その他のたくさんの芸術作品はたっぷり
観て周りました。いろいろな想いも過りました。
芸術の解釈は人それぞれだと思うのですが、今日は私の思う芸術について
書いてみようと思います。

あなたはアンデルセン童話の「マッチ売りの少女」というお話を
覚えていらっしゃるでしょうか。
あらすじを簡単に紹介いたしますと、

大みそかの夜に、ひとりの少女が路上でマッチを売っていました。
すべてのマッチを売らないと父親に叱られるため寒空の下に
佇んでいますが、年末の忙しい時期のため、見向きもされません。
だんだんと夜が更け、寒さが増してきました。
耐えられらなくなった少女が少しでも暖をとろうと
マッチに火をつけると、灯かりのなかにあたたかいストーブや
ごちそうが現れます。喜びも束の間、マッチの火が消えるとともに、
その幻も消えてしまいました。
次のマッチに火をつけると、そこに少女をかわいがってくれた
唯一の存在の亡くなった祖母の幻が現れます。この火が消えてしまうと、
祖母も消えてしまう。そう恐れた少女は、持っていたすべてのマッチに
火をつけました。その火はとても明るく光り、祖母が少女を優しく
抱きよせます。そして2人は共に天国へと昇っていったのでした。
翌朝の街には、燃え尽きたマッチを抱き、幸せそうに微笑みながら
亡くなっている少女の姿があったそうです。

このマッチ売りの少女は、凍えてひもじい中で点した光の中に、どんな幻想を
見たのでしょうか。
その有り様は、どんなに贅を尽くして飾り立てた部屋よりも麗しく、
心のひだの奥までも幸せにするものであったと思います。

私は脳科学者の茂木健一郎氏の「脳と仮想」という本が好きなのですが、
幸せになる能力は、仮想を見る脳の働きの中にあるといいます。
ただ、その時に、よほどうまく美しいもの、良きものへと接続しなければなりません。
美しいもの、良きものを知らなければ、空想を膨らませることはできないからです。
そして、その手がかりは、やはり、本物の体験の中にあるのです。

私達が真なる美を求めるのは、困窮の中でも、幸福への道につないでくれる、
そんな小さな手がかりを掌に収めるためなのでしょう。
芸術は贅沢などではありません。それは、苦しい時でも私達を支えてくれる、
マッチ売りの少女の点す「炎」なのです。

私はある意味自分自身のことを芸術家だと思っています。
また、私の人生は私の最大の芸術作品だと思っています。
一瞬一瞬が創造の過程であり、無限の可能性を秘めているのです。
私達は、今までどおりの生き方を貫き通すことも、新しい生き方をはじめることも
できるのです。
人生は、一瞬一瞬、新しい機会と、新しい決断を、提供してくれているのです。
なんと素晴らしい芸術なのでしょう!

世界中で愛されているコミックの「スヌーピー」には結構哲学的なセリフが
よく出てくるのですが、ライナスの弟のリランがルーシーと塗り絵をして
遊んでいるシーンで、リランが言う私が大好きなセリフを最後にお贈りいたします。

My life is like a coloring book!
Each day I have a new page with new pictures to color…
ぼくの人生は塗り絵みたいだ!
毎日新しいページに新しい絵があって色を塗るんだ…

芸術の秋。あなたの人生に素敵な色を塗ってくださいね!

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麗王
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末金典子