お元気ですか?
今年の冬はなかなか寒いですね~!
体調を崩したりなさっておられませんでしょうか。
インフルエンザも流行っていますのでくれぐれもお身体にお気をつけくださいね。
何といっても健康あってこその幸せですから。

実は10日前に沖縄銀行さんから沖縄県経済同友会に出向しておられた長松さんが
クモ膜下出血でお亡くなりになられました。
仕事を終え帰宅途中のバスの中での出来事だったそうです。まだ44歳。
お亡くなりになる1週間前にいらしてくださった時、
「正直に言うと今の会社のあり方に少し物足りなく思っているところも
あるので私なりに頑張りたいと思います。」
とおっしゃっておられたのが印象的でした。
これからという人生を歩んでおられた途中。心残り幾許であったことでしょう。
心から御冥福をお祈りいたします。

随分前に、ある男性が人生最後の日に書き残した手記にまつわるストーリーを
抜粋したものを御紹介させていただきましたが、今一度お読みいただければと
思います。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

その日の朝、彼はいつもより眠気を感じていた。疲れてもいた。
前の晩、遅くまで起きていたし、ベッドに入ってもなかなか寝つけなかったのだ。
しかし、もう少し眠ろうという考えをすぐに捨て、片づけなければならない
膨大な仕事のことに頭を切り替えた。
いつも通りに顔を洗い、髭を剃った。ここ数日、眠れない夜が続いたせいで、
顔からは生気がうせ、目元にはクマができていたが、気に留めることはなかった。
剃り残した髭にさえ気がつかなかった。
コーヒーを飲み干し、気のない「おはよう」を呟き、妻と会話もせずに家を出た。
結婚して何年もたつのに、家にいないことの多い彼に不満をぶつけ、もっと一緒に
時間を過ごすべきだと言いつのる妻が理解できなかった。彼女が求める暮らしを
維持しているだけで十分ではないのか、と思っていたのだ。
彼には、尻尾を振る犬に笑いかけたりする余裕もなかった。
娘から携帯に電話が入りランチに誘われたが、仕事をすっぽかすわけには
いかないと断った。じゃあ次の休日にでもと言う娘に「本当に時間がないんだ」と
断った。
会社に着いた彼は、社員とろくに挨拶さえ交わさなかった。予定がびっしり
詰まっていて、すぐ仕事に取りかかることが大事だったからだ。
たわいもない世間話で時間を無駄にしたりはできないと思っていた。
ランチタイムになった。彼はサンドイッチとソーダを頼んだ。
コレステロール値が高く、検査する必要があったが、その時間は来月まで
取れそうになかった。午後の会議で使う書類に目を通しながら、ランチを
食べ始めた。何を食べているのかなんて、まったく頭になかった。
電話の音が聞こえたとき、彼は少しめまいを感じ、目が霞んだ。同じ症状が
出たとき、医者が言ったことを思い出した。「ちゃんと検査しないとダメですよ」
でも、大したことはない、強めのブラックコーヒーでも飲めば何とかなるだろうと
彼は決め込んだ。
目を通すべき書類、下すべき決断、引き受けるべき責任。そうしたものがどんどん
増えていく。
会議に遅れそうになったので、エレベータが来るのを待ちきれず、彼は階段を
二段ずつ駆け下りた。ビルの地下にある駐車場が地底の奥深くにあるかのように
感じられた。
車に乗り込み、エンジンをかけたとき、再び不快感がこみ上げてきた。今度は
胸の鋭い痛みだ。だんだん息が苦しくなり…、痛みが増し…、乗り込んだ車が
消え…、周りの車が全て消え…。柱、壁、ドア、日の光、天井のライト。
彼の目には、もはや何も映らなかった。
代わりに、馴染み深い光景が心に浮かび上がってきた。まるで誰かが
スローモーションのボタンを押したかのように。一枚一枚、彼はそれを
眺めていった。妻、娘、彼が最も愛した一人ひとりを。
「俺はなぜ、娘と一緒にランチをしなかったんだろう?」
「朝、家を出るとき、妻は何て言ってたっけ?」
「この前の休み、なんで友達と釣りに行かなかったのだろう?」
胸の痛みは止まらなかった。でも、彼の心には「後悔」という名の別の痛みが
うずきだしていた。
彼の眼から、静かに涙があふれ出た。
そしてメモに書き残した。

生きたい もう一度 チャンスが欲しい
家に戻って妻と過ごしたい
娘と会いたい
できるなら できるなら――

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

幸いにもこの男性は奇跡的に助かり、この手記を発表されました。

また、お正月あけに、脚本家の下島先生から
以下のようなお便りをいただきました。すごく素晴らしい内容でしたので、
先生にお断りをして御紹介させていただこうと思います。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

昨年、1月2日にたった一人の弟が、突然逝ってしまいました。
お正月いつも来る弟一家の中に弟はいませんでした。この1年、ことあるごとに
蘇った弟は、小さい頃だったり、若い頃だったり、家族の中での笑顔だったり。
でも、人は本当に逝ってしまうのですね。
一周忌を昨日、済ませました。弟を大事にし、いつも夫婦で旅を楽しんでいた
義妹も、娘、そして息子の家族と、今も弟を偲び、孫の世話と仕事に
明け暮れています。
人が生きるということ、その大事さと切なさを、今、しみじみと感じます。
その日まで、精一杯生きよう、と、思っています。
寒い日が続きます。お風邪など召さぬ様に。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

もしも、今日が人生で最後の日になるなら、
あなたは、今日をどう生きますか?
周りの人にどんな言葉をかけますか?
会ってうんとお話したい人は誰ですか?

過去と未来が存在するのは、人がそれについて考えるときだけ。
つまり、両方とも印象であり、実体はないのです。
それなのに私達は、過去に対する後悔と、未来に対する不安を
わざわざつくりだしているのですね。
いつ終わりの日が来ても悔いのないように。
今日を、今この時を、大切に精一杯生きたいものですね。

明後日は節分です。
立春が一年の始まりだった昔、新しい年神さまを招く前に、来る年の災いである
鬼を祓う行事として、前夜に行われていたそうです。
そう考えると「鬼は外、福は内」の理由がわかりますよね。
それに、新年のエネルギーは一月ではなく二月の節分を越えたあたりに
動き始めるのだとか。つまり、節分を越えると、今年のエネルギーが非常に
はっきりしてきますので、今年の目標や、新しいトライはこの頃に
幸せな気持ちで始めてみるのもいいかもしれません。

一月の内にちゃんと今年の計画を立てられなかった人は、改めてこの節分に
誓いを立てても遅くはありませんよ~。

さぁ、節分の日にはあなたも大きな声で豆をまいて。
「鬼は外、福は内。」
そして今年の恵方・南南東に向かって、幸運をおいしく呼び込む恵方巻き寿司を
ガブリ!とまるかぶりなさってくださいね。
今年一年の幸せを、健康を、心から願って。

【2011.2.1 末金典子】

あけましておめでとうございます!

温度も10度まで下がって寒くなり、お正月らしい雰囲気になった沖縄でしたが、
あなたはいかがお過ごしでしたか~?

私はごくごくオーソドックスに、大晦日は年越しそばをいただき、
紅白歌合戦を観て今やもうついていけない流行歌のお勉強をこなし、
おせち料理をゆっくり作り、お雑煮・お屠蘇とともにいただき、
初詣には普天間神宮までランニングで行ってお参りをし、その後なんと23時間も
ぐっすり眠って!初夢も見たお正月でした。

さぁ、新しい年の始まりですね。
年の初め、お正月の松の内、1時間、
今年1年向かう方向について、本気になって考えてみませんか。
今月は1年の計画を考える時でもあるのです。

まずは過去を振り返ってみてください。
人は昔から、愛情を人に捧げる喜びをもっていました。
その喜びを忘れ、近年では、人に与えられる愛ばかりを望むようになったため、
いつも不足を感じ、顔も不機嫌になっている人が多いようです。
前に進むためには、過去を振り返り、そのことに気づくことが大事では
ないでしょうか。

そして自分の今いる立場をよく考えてみてください。
自分の立場を、自分の心が正しく赴くところに見出すのは、
難しいようですがいちばん素直なこと。
正しい、というより、こうありたいという願望でよいのです。
誰しも、今年やりたいこと、自分にとって課題となることがあるはずです。
ない人はないはずです。もしそれがない、という人がいたら、
それは単なる怠惰ですよね。

また、自分のことを客観的に、他人の目になって見てみることも大切です。
でも決して、自分を嫌いになってはいけませんよ~。
自分は最も愛すべきものなのですから。

そして、夜が明けて朝になったら、もう後ろを振り返らず、前へ向かって
歩き出しましょう。
そのとき、歩き出す方向がほんの少し曲がると、1年間がちょっとずつ
変な方向へ向かって行きますよ~。とはいえ、何が正しい方向かは誰にも
わからないのですが。
とにかく、まずは自分が行くべき方向をしっかりと考えてみる。
それが今大事なことなのだと思います。

私は、お正月を迎えるとまたひとつ歳を取った、と感じます。
特に今年は大台の50歳になっちゃうんですもの! キャ~~ッ、こわいっ!
でもね、歳を取るって悪いことじゃないですよ。
登ったから見える景色もあるのだから。
それに50歳の今まで生かされていることを思うと、感謝の気持ちで
何かをせずにはいられません。だから私にとって年の初めは、
「人生のお返しに今年は何をできるか」を考える時間なのです。

まず考えたことは、
「あなたとのひとときを、優しさや楽しさで
包むことができますように。」
ということ。

そんな想いでスタートをきりたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、金曜日は七草です。
歴史は平安時代にさかのぼります。
朝廷では一月七日に若葉を摘み、冬の寒さを打ち払おうとする習わしがありました。
一方、海を隔てた中国でも、この日に7種類の菜の煮物を食べれば、万病に
かからないという言い伝えがありました。
七草がゆは、この日本と中国の風習が合体し、一月七日に、一年の無病息災を願い
七草を入れたおかゆをいただいて、冬に不足しがちな野菜を補い、お正月の
暴飲暴食で疲れた胃袋をいたわるという古人の知恵が、現代に行き続けている
行事なんです。
お休みモードからふだんの生活に切り替えるきっかけとしてはとっても
おすすめです!
ぜひ召し上がってみてくださいね。

【2011.1.5 末金典子】

お元気ですか~?

今年はちょうどいいことにクリスマスが週末にあたりますね。
クリスマスの由来は諸説あるのですが、古代ローマ暦の冬至の日に行われていた
太陽神への収穫祭が最初で、のちにキリストの生誕祭と結びついてクリスマスに
なったと言われています。
冬至の頃は、日が短く寒く、古代の人々は闇への不安や恐れを感じる一方で、
不滅の太陽を信じて、盛大なお祭りを各地で行っていたようです。
クリスマスに様々なお料理を食べるのは、その年の収穫物をすべて食卓に
並べていた収穫祭の名残だとか。
クリスマスを厳かに過ごす習慣は、昔太陽が休んでいる時期に騒ぐと光が
戻ってこないと信じられていたため、なのだそうですよ~。
これらは現代のクリスマスにも引き継がれていますね。
恋人とロマンチックに過ごしたり、友達同士でワイワイ騒いだり…が主流の
ジャパニーズクリスマスですが、あなたはどんなふうにお過ごしに
なられるのでしょうか。
もしも「おひとりさま」でしたら、麗王でクリスマスのケーキとともに一緒に
お過ごしくださいね! 今年は沖縄で一番美味しいスイーツ&パンのお店
「ザズー」さんの特製デコレーションを御用意させていただきます!

さて、こんなふうに季節の暦の折々に麗王便りをお送りさせて頂きましたが、
今年も最後のお便りとなってしまいました。
毎回お読みいただき本当にありがとうございました。

この2010年も随分たくさんの方々に麗王にいらしていただくことができました。
本当にありがとうございました。
初めてお会いさせていただいた方、お久し振りにいらしてくださった方、
いつも変わることなくいらしてくださっている方…。
一生のうちに出会う人の数を考えると、私の場合仕事柄、他の人より少しは
多いかもしれません。以前は毎日の新しい出会いに戸惑ったり、
悩んでしまったり、考え込んでしまったことも多々ありました。
それでも人との出会いの中から学ぶことは圧倒的に多く、
出会えるチャンスがある私は恵まれているのだとだんだん思えるようにもなり、
今では人と出会うことが新鮮で楽しい毎日です。

沖縄に住んでちょうど20年。
沖縄では出会いのひとつひとつが、なんというか、濃いのです。
特に沖縄に住む人はいい意味で何か一癖ある。
そういう自分もどこか変わっているとは思います。
またよく言われます。
「麗王に集まる人達ってインテリが多いからか、変わってる人が多いよねぇ。」
でも麗王のように変わっている人達が集まれば、それが普通であり、
むしろ普通の人のほうが変わって見えるのだから面白い。
じゃあ何をもって「変わっている」と「普通」を見分けるのか、
それを突き詰めて考えてみると、人間一人一人、顔も個性も姿形も
みんな違うのだから、本当はみんなそれぞれが変わっていて当たり前
なんですよね。それが社会的な規則やモラルや教育によって
何となく画一化されているから、一人一人の個性があまり表に
出ていないだけのこと。
でも麗王のようにただみんなでお話をする場、ということになると、
しっかり個の発言ができる方が多いから、必然お一人お一人の個性が
全面的に出てくる。
結果、「変わっている」ということになるわけなのでしょう。
でもそれは言葉を変えれば、「自分らしくある」ということなのでは
ないでしょうか。
つまり、「普通ということは、変わっているということ」なのです!

さて。
本当にあっという間に、一年の終わりということになってしまいました。
なぜとはいえない気ぜわしさと、街の賑わいとはうらはらに一抹のさみしさも
おぼえる時です。忙中に閑あり。
ここのところの麗王では、お馴染みのみなさんが、しみじみと一年の無事を
振り返る夜咄の会となっています。
あなたもどうぞ御自分らしい、あなたならではお話をなさりに
お寄りくださいね。決して「変わってるぅ!」なんて申しませんから!

そして。
今年も本当にありがとうございました。
女の子もいなくて、カラオケもなくて、オープンもおそくて、遅れて!
そんな店であるにもかかわらず、今年もまた続けさせていただいたことを
思うと感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
たくさんのお店の中からわざわざ選んでまでいらしてくださったあなたの
温かい想いを胸に、また来年もがんばってゆきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

あなたが穏やかに一年を締めくくることができますように。
そして何よりも、あなたがどうかこのうえもなくお幸せでありますように。